2016年7月3日日曜日

子供が生後16日目で心臓手術した。

子供が生後16日目で心臓手術をすることになって、めちゃくちゃ焦った顛末。
今は手術は成功して、まだ病院ですが元気に回復中です。


出産後、4日目に産婦人科を退院する際に心雑音が聞こえると言われた。
赤ちゃんのチアノーゼ(肌が紫色にみえるらしい)を気を付けてと言われていたが特に色合いで気になることもなく、色白でおとなしい子だな程度の認識であった。がっ1週間健診でも心雑音が聞こえるということで大学病院への紹介を受け、上の子を実家に預け会社を休み、生後14日目(ちなみに月曜日)に昭和大学藤が丘病院の小児科を検診した。

朝の10時ぐらいから始まった問診ではやはり心雑音が聞こえ、SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が78%とのこと。SpO2というのを初めて知ったのだが血中の酸素の含まれている値ということで通常は96%以上の値あであり、今の値は静脈での値に近いといわれた。測定時に泣いていたから低いのかもしれないねと言われながら次の超音波検診へ。
ゴロゴロとエコーの装置が運ばれて先生が見る。見る。見る。長い。心臓っぽい画像が出てくるが心房寝心室で4個に分かれているべきと思われるものが3個にしか見えない。その画像でおもむろにサイズを測る先生。そして(たぶん)血液の動きを可視化するモードで赤色、青色がびゅんびゅん画面に出るが素人には良いのか悪いのか区別がつかない。けど、なんとなく不安。途中で先生が看護師さんに説明の部屋を確保するように指示。うーん、大丈夫か不安が募る。
検査を終えて、診断結果は総肺静脈還流異常症(最終的に執刀医からはさらにI型aと言われた)と思われるとのこと。うーん心雑音から心臓に穴が開いているのは覚悟していたのだけど、血管が正常に繋がっていないとは思っていなかったので緊張で自分の心臓が痛くなってくる。昔、採血で倒れた時と同じようにたくさん脂汗が出てくる。正直、気分が悪くて倒れそう。すぐに手術が必要と言われて、すぐというのはどれぐらいと聞くと、今日とかとのこと。えっ3歳ぐらいまで大きくなるのを待ってからするのではないのか。こんなに小さい体の内にするのかと、かなり焦る。

これから対応できる病院に移るので、ここで待ってくださいと言われる。連絡する先もあるし気持ちを落ち着かせたいので病院玄関まで歩いて外気に当たってから実家に子供の面倒の延長をお願いし、会社にはしばらく休む旨を伝えて戻る。朝から何も食べてないので奥さんと一緒に病院のコンビニに行き飲み物と軽食を購入し食べた。お医者さんは昭和大学横浜市北部病院に行くことになったがデータをCDROMに焼いているので少し待って欲しいと伝えられる。

準備ができたということで救急車に乗り込む。赤ん坊は自分で抱いて乗る。心臓に血管がつながっていないなんて信じられない。お医者さんも乗り込んで出発。サイレンを鳴らして移動するが知らない土地なので景色からは土地勘が働かない。そもそも転院先の病院名を聞いても地名もよく知らないエリアなのでしょうがない。同乗のお医者さんとあれやこれやと話して時間をつぶす。
病院についたところで抱えたまま直接ICUに入る。出入口が足でスイッチを踏むと開け閉めできるのに感心した。ちっちゃなベッドに寝かせて看護師さんがテキパキと作業に取り掛かる。ちなみに着ぐるみのタオルは元の病院なので返してくださいとかやっていました。
お医者さんから再度検査するので2時間ほど外の待合室で待ってくださいと促される。

待っていると30分ぐらいでお医者さんが出てきて、すでに呼吸が肩でやっていて辛そうなので麻酔をかけて呼吸器を入れることについて了承を取りに来る。そんな事態なのかとおろおろするばかり。
じっと待っていても辛く、持って来ていた新聞も3回ぐらい読んだ飽きたところで、未だトイレの場所も知らないことに気が付き軽くフロア探検に出る。戻ってくると席に奥さんがいない。えーっとICUに一人で連れていかれたとしか思えないがどうするんだ? 掃除のおばさんに聞くとインターフォンを押してくださいとのこと。押して名前を名乗ると待ってくださいと言われる。待つ、待つ、待つ。

しばらくすると奥さんが戻ってきて輸血の承諾書などの説明を受けていたとのこと。お互い色々と手がつかない。
検査が終わったということで、ICUに入り、子供の様子を見る。麻酔で穏やかな顔だが色々と管などついて現実なんだなと感じる。SpO2が90%ぐらいになっており呼吸が楽になったのかなと思いながら続いて個室に移る。現状の状態について説明と総肺静脈還流異常症の説明を再度受ける。手術については執刀医の判断だけど安定しているので二日後の水曜日にすると思われると言われる。早まることもあるし後ろにもなると言われ、早まるのは調子が悪くなった時だと思いますが後ろになるのはどういう時と聞くとそういうことはほとんどないと言われる。

その後、執刀医に会い書類が18時に出来るけどインフォームドコンセプトの手術説明をどうするかと聞かれ、明日にしてもらう。正直、精神的に疲れた。

翌日、執刀医から病気について三度目の説明を受ける。手術後の話など聞きイメージが出てくる。心臓も止めて機械で血液を巡回させて手術を行うとのこと。失敗はないような事は言われるけど、やはりドキドキする。手術は4時間とのこと。最後に麻酔医から説明を受ける。別々にしているのね。

翌日、時間をつぶす本などを抱え8時過ぎに病院に行き、8時45分に手術室に行くのを見送る。まだ生後16日目だよ。フロアで待っていてくださいと言われ、ICU室の前は人通りが多いのでいったん奥の自動販売機あたりで時間をつぶす。12時ぐらいにICU室の前に移動すると主治医の先生がたまたま通りかかり順調ですよと声をかけてくれる。ほっ。
13時になり14時になりだんだん不安になってくる。あと30分待っても連絡がなければインターフォンを押そうと思っていると看護婦さんが終わったと連絡をくれる。麻酔が効いているので穏やかな感じ。心なしか手も桜色になった気がする。胸はまっすぐ手術跡がある。小さな体で大変だったんだなぁと思う。注射も台にたくさん載っているし管もたくさんある。体調が悪くなったら利用するという管もあるので全部が今使っているわけではないけどインパクトはどうしてもある。。でも執刀医は注射(薬)は、これでも新生児にしては半分ぐらいで少ないですと言われる。SpO2も100%になっている。麻酔医からも説明を受ける。病院を出て奥さんと喫茶店で一服。手術、成功してよかった。ほっ。

毎日、 ICUに通い、注射や管が外れていく。生後22日目、術後6日目の火曜日にICUから小児病棟に移る。
生後26日目、術後10日目で万が一用のペースメーカーの電線のみになった。体重は生まれた直後と同じぐらいまで落ちていた。手術前が300gぐらい増えていたんだからものすごく、痩せたのね。確かに目がぎょろっと見えるし、手足が痩せた。

でもミルクも1日八回、80mL/回飲んでいるというので、順調に回復しているみたい。看護師さんには泣くと声が大きくてすぐに分かると言われた。
3週間ぐらいで家に戻れると言われ早まるかもとも言われたので海の日ぐらいには戻ってくるかな。

早く元気になって、お兄ちゃんと遊びましょ。