2021年2月7日日曜日

岩波新書の「マーティン・ルーサー・キング」、「アメリカ黒人の歴史」を読んで

2020年5月から盛り上がっているBLM(Black Lives Matter)運動を受けて公民権運動などを改めて読むかと思い、岩波新書の

を読んでみた。
今までキング牧師の非暴力を知ってはいたが、漠然として非暴力かと思っていた。それが成功への戦略にもとづいて組織的にやっていたという事を初めて知った。曰く、非暴力行動であるから、女性も子供も参加ができる。非暴力デモに対して白人至上主義者たちが暴行を行う。そのような弱者を暴力で排除する事が報道されると白人至上主義の組織内部から良心に耐えかねて崩壊に進む。これを実現するために、罵声を浴びせられても暴力を振るわない訓練や、拘留された際の保釈金を用意する。そして暴力的な対応が想像される地域を狙って行進などを行う。暴力で痛めつけられること自体が目的というか表現としての考えであった事は知らなかったし、死ぬかもしれないという手段を選択するという状況に驚いた。

憲法は平等をうたっているはずが「分離すれども平等」とされ、黒人専用座席などと日常に差別される状況があり、投票するにも識字試験などで言いがかりで黒人の権利を奪いっている状況であると。

闘いの歴史に引き込まれて読んでいった。
バスの後部座席が黒人専用席で前方の白人専用席が混んでくると黒人は立たされる。これを拒否して逮捕された事をきっかけに黒人がバス利用を拒否したバスボイコット運動。学生がカウンターで座り込むシット・イン運動など。そして事あるごとにリンチであったりと黒人が殺されいく状況で体を張って訴えている事に息が詰まる。

アメリカ黒人の歴史の方は、黒人奴隷などの話からして、不条理極まりないもので、なんともやりきれない。19世紀の黒人奴隷逃亡支援の地下鉄道という組織の事も初めて知った。先日のニュースによるとこの地下鉄道の闘志が米国20ドル札の肖像に採用されると言っていた

このような活動が続いている中でBLMという運動が出てくるという事は未だ克服できていない身近な問題であることが改めて認識した。

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