2011年3月25日金曜日

OracleのItanium向けの開発中止はHPへの宣戦布告だ

米OracleがItanium向けソフト開発を打ち切り、米HPは開発継続をあらためて表明(クラウド Watch)

Oracle社がItanium向けの開発を止めるとプレスリリースした模様。
ItaniumのサポートしているメジャーなOSはWindows,RedHat,HP-UX,Nonstop,ACOSかな。
うちWindowsとRedHatはすでに開発を停止。NonstopとACOSは独自OSでOracle DataBaseが動くわけでは無いので関係なし。影響があるのはHP社のUnix HP-UXのハードウェア。HP-UXはすべてItaniumで動いている(*1)ので全量に影響がある。
最終的に使えるバージョンがOracle社より下記に掲載されている。
http://www.oracle.com/us/corporate/features/itanium-346707.html

今回のOracle社のプレスではItaniumに未来が無いからとあるが、それが全てでは無いだろう。
昨年、Sun Microsystems を買収し、SPARCというCPU、SolarisというOS、StorageTek由来のストレージを手に入れている。そしてOracle社の一番の強みであるOracleDataBaseはエンタープライズではデファクトでありDBソフトのライバルはDB2,SQLserverであるがそれほど強くは無い。

ライバル会社であるMS,IBM,HPの3社の中ではHP社だけがDataBaseソフトを自ら所有していない。
この3社のOSとSolarisを比べると相対的に劣勢であるので、最近OracleDataBaseのライセンス価格をSPARCは値下げし、HP向けには値上げ(*2)している。

これはHP社への宣戦布告であり更に激化していくのだろう。

HP社が報復としてHP Software(以前、OVOと呼ばれていた)のSolarisサポートを無くしても別に驚かない。
ただItaniumに未来を感じていない人が多いのは事実で、安価なHP-UXのサーバも無いところから再度CPUアーキテクチャーを変更してくる可能性もあるのかもしれない。

またHP社にあってOracle社に欠けるパーツはNW機器(旧3Com社)と自社でのSI事業なので、そこを使ってOracle社に攻め込むのか、Oracle社はどっかのNWベンダを買収して防御するか、それほど脅威と感じずにIBMまで戦線を開きに行くのだろうか。

どちらにせよHP社がこの宣戦布告に対してどういうアクションをとるのか見守りたい。

*1)
以前はCPUにPA-RISCを採用していたが、事実上Itaniumに切り替わっている。
*2)
SPARC64 VII+のオラクルライセンス コア適用係数が0.5に

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